離島で地域市民とともにある、持続可能な事業を考える

Retocos

Retocosは、佐賀県唐津市の8つの離島を舞台に、島の恵みから生まれるエシカルビューティーを届けるプロジェクト。島民によって大切に育てられてきたコスメ原料を軸に、商品開発から観光体験へと事業を展開。
テツシンデザインは「cosmetic island」というビジョンのもと、戦略・コンセプト設計からビジネスモデルの構築、ロゴ・Web・ライティングなどブランド全体の立ち上げを支援しました。
自然と共にある美しさや、持続可能な暮らしのかたちを、島からやさしく問いかける取り組みです。

Team
Producer / Creative direction
先崎 哲進
Design
青井 良恵
Web development
阿比留 浩太
Movie
仁田原 力
Photo
水田 秀樹 / 藤本 幸一郎
Writing
中村 美由希
Research with Saga University
佐賀大学 平瀬研究室
Website
Retocos

BACKGROUND

佐賀県唐津市でコスメティッククラスター構想が立ち上がる

2013年、佐賀県唐津市に国際的なコスメティッククラスターを創出することを目指して一般社団法人ジャパン・コスメティックセンター(JCC)が設立されました。JCCに所属し、離島の天然資源の開発を担当していた三田かおりさんは、3年間の取り組みを経て2019年独立。離島の資源を活用したコスメで地域活性化を目指す事業「Retocos」を立ち上げます。


唐津には7つの離島があり、それぞれ独自の文化と暮らしが息づいています。しかし近年、漁業の不振や若者の島離れ、島民の高齢化により、持続可能な島の暮らしは年々厳しさを増しています。そこで、豊かな自然資源を活かしつつ、観光や物産を取り入れ、島の魅力を再編集して次世代に継承できる事業を育てたい——そんな想いから、このプロジェクトは始まりました。

APPROACH

島の恵みを、埋もれたままにしないために

テツシンデザインの先崎は、Retocosの立ち上げ期から約2年間、取締役として伴走し、唐津市・高島をモデルに事業づくりに参画しました。

Retocosは、NPO法人と株式会社の2つの組織で構成され、NPO法人では地域プレイヤーと連携した原料生産、株式会社では販路開拓やツーリズム、離島留学などの対外事業を展開しました。


離島で栽培したコスメ原料をベースに、島でコスメをつくる体験型プログラムと、島の暮らしや島民との交流を生む事業を構想。コスメ原料の生産、コスメづくり体験、子どもたちの離島留学を組み合わせた、島の活性化モデルを描きました。


先崎自身も週末ごとに高島へ通い、離島留学では寮母として子どもたちと暮らしを共にしました。

CONCEPT

“cosmetic island”という世界観と持続可能な事業設計

この離島に眠る「美と健康の資源」を、コスメ原料という単一の産業ではなく、島全体をひとつの“cosmetic island”と見立てて世界観を設計。ものをつくるだけでなく、自然と共生する島の暮らしや人の営みまでも含めて魅力として立ち上げていく構想を描きました。


戦略・コンセプト設計では、ブランドの核となるビジョンを構築し、エシカルな価値観を大切にしながら、観光体験や複数事業へと展開できるビジネスモデルを設計しています。

OUTPUT

ロゴマーク

事業開発

島の資源を活かしながら経済を循環・創出する“cosmetic island”の世界観に基づき、コスメ事業、ツーリズム事業、クラフトコスメ事業、離島留学事業の4つの事業を展開しました。

ツーリズム事業

渡船場から歩いて数分、集落の中心部に佇む古民家を、島の活動拠点「高島BASE」として再生させました。
島で育てた植物からコスメ原料を加工する場であると同時に、クラフトコスメのワークショップも開催しています。室内では、ホーリーバジルや柑橘など島のオーガニック素材を使ったルームフレグランスづくりなどを体験できます。
原料の栽培には耕作放棄地を活用しており、島の課題解決と自然の循環を目指しました。間伐材やウニの殻など島の副産物をコンポスト化し、土づくりに還元する取り組みも検討。島の恵みを活かしたツーリズムと環境再生を両立する、小さな循環の場となっています。

高島離島留学「高島Kids寮」の運営

「高島Kids寮」は、佐賀県唐津市・高島が実施する離島留学プログラムにおいて、県外の小学4〜6年生を受け入れる暮らしの拠点です。運営は株式会社リトコスが担い、寮母として先崎も週末の担当を務めました。

寮母は、単なる生活支援者ではなく、子どもたちが島の暮らしや文化に触れながら自分らしく成長していけるよう、コミュニケーターとしても幅広く関わります。島の祭りやコスメ畑での収穫など、ここでしかできない体験が日常の中に組み込まれた島ならではの教育環境で、子どもたちは、豊かな自然や島民とのつながりながら、自分のペースでのびのびと成長します。

高島リサーチ/高島 BASE PROJECT

佐賀大学地域みらい創生プロジェクトとして佐賀大学平瀬研究室と共同で進められた3年間(2020-22年度)の研究プロジェクトです。
島内と島外をつなぐ交流体験拠点としてRetocos のワークショップスタジオ「Retocos 高島 BASE」が誕生しました。

WEBデザイン

パッケージデザイン