地域で消費された原料(=地消)をもとに、
地域の土壌を再生する(=地産)、地消地産コンポスト

金澤バイオ研究所

土の研究者・金澤晋二郎氏が主宰する金澤バイオ研究所は、大学機関での長年の研究をもとに、超好熱性細菌による発酵技術とオーガニック肥料を開発しました。その製造プロセスそのものに着目し、その土地で廃棄される有機物を資源とした、各地域独自の循環モデルを生み出す「地消地産コンポスト」のモデルを提案。ブランディング、商品デザインを担当。地域の土壌を再生し、持続可能な循環の仕組みを世界へ広げていくことを目指した、研究と社会実装をつなぐ取り組みです。

Team
Creative & art direction
先崎 哲進
Design
青井 良恵
吉川 颯
Photo
大塚 紘雅(photo office overhaul)/ 藤本 幸一郎
Client
株式会社金澤バイオ研究所

BACKGROUND

足元で起きている土の危機と有機廃棄物問題

土は私たちの暮らしを支える生命の基盤でありながら、いま世界では急速にその豊かさが失われています。日本でも毎年6,000万トンを超える有機廃棄物が焼却・埋め立てられ、土壌の劣化と廃棄物処理の双方が深刻な課題となっています。こうした状況に対し、金澤バイオ研究所は長年の発酵研究をもとに、超好熱性細菌による高温発酵技術を活かし、地域で発生する有機物を資源として循環させる仕組みを模索していました。弊社が関わった当初は、金澤氏が大学を離れ、民間の研究所を設立するにあたり、研究成果を社会へどう届けるかという構想段階。現場へ足を運び、地域ごとの素材や課題を共有しながら、「土壌再生」と「廃棄物削減」という二つの課題をつなぐ「地消地産コンポスト」のビジョンを共に描き始めました。

APPROACH

循環の仕組みを共創する体制

当時、先崎が活動していた佐賀県唐津市の離島、高島に金澤氏に来訪してもらい、離島特有の課題であるごみ処理や竹害、痩せた土壌の改善を目的に、島の廃棄物や間伐した竹を活用したコンポスト化を検討したことから、地消地産コンポストのアイデアが生まれました。

CONCEPT

地域の素材を生かし、廃棄物を“土の栄養”に変える循環のデザイン

超高熱細菌による発酵技術を軸に、有機廃棄物を地域の資源として再生し、土壌を蘇らせる「地消地産コンポストシステム」を構築しました。各地で発生する廃棄物をリスト化し、その土地に合わせた素材を組み合わせて独自の“発酵レシピ”を設計。特別な設備や電力を必要とせず、短期間で完全発酵させることで、匂いのない清潔な堆肥「土の薬膳」が生まれます。
佐賀県唐津市高島では、離島特有の課題であるごみ処理や竹害、痩せた土壌の改善を目的に、島の廃棄物や間伐した竹を活用したコンポスト化を検討し、地域の課題や素材に合わせた独自のレシピづくりを展開していきました。

地消地産コンポスト

各地で発生する廃棄物をリスト化し、その土地に合わせた素材を組み合わせて独自の“発酵レシピ”を設計。特別な設備や電力を必要とせず、短期間で完全発酵させることで、匂いがなく、子どもにも安心で、環境にもクリーンな堆肥が生まれます。廃棄問題の解決と土壌を再生させる地域内循環を各地域ごとに生み出すことを目指します。

OUTPUT

ロゴマーク

オーガニック肥料「土の薬膳シリーズ」

「土と植物の健康を保つ“薬膳”」という発想から生まれたオーガニック肥料シリーズ。
 超好熱菌発酵で生まれる堆肥「土の薬膳」と、天然素材をブレンドした観葉植物・家庭菜園向け用土「BIO SOIL」のパッケージデザインを担当しました。
見た目の美しさだけでなく、「土に触れること」そのものを身近に感じられるプロダクトとして、暮らしに自然循環の思想を届けています。

各地域で取り組んだコンポストモデル

地域で消費された原料(=地消)をもとに、地域の土壌を再生する(=地産)仕組みをモデル化。地域の事業者が連携し、各地域の条件に合わせて自走可能な仕組みに定着させることが目的です。

Fukuoka Flower Show コンポスト企画

福岡市植物園で開催された「Fukuoka Flower Show Pre-Event」では、都市の廃棄物を活用した循環型植物園モデルの社会実験として、コンポスト企画を実施しました。市内のカフェなどから回収したコーヒーかすを堆肥化し展示。園内では発酵土壌の実物展示を行い、街中ではマグカップ型の什器を載せたコンポストカーが走行し、来場者に“都市の資源循環”を体感してもらう仕掛けをつくりました。