鯨をしるべに、まちの鼓動を興す

鯨の町興し

江戸時代、捕鯨によって栄えた呼子町。「鯨一頭で七浦潤う」と言われるように、一頭の鯨が七つの漁村を豊かにし、多くの人々が集って「鯨組」が形成されました。
その後も近代化の中で栄えた呼子ですが、時が流れ、町の人口が減り始めると、商店が空き家に変わり、代表的な産業である漁業も従事者が減少、かつての町の姿が影を潜めています。
もう一度、町に熱気を呼び覚ますために、活気の象徴である鯨をしるべに、町興しが始まりました。火付人の事業者が旗を振り、地域の人たちによる2021年、途絶えていた祭り「呼子くんち」が復活します。そして2023年、クラフトビール醸造所オープンを皮切りに、飲食店や宿泊施設、アロマ醸造所、新スタイルのサウナなど、新たな生業が生まれました。
テツシンデザインは、鯨の町興し設立メンバーとして構想から関わり、事業伴走、ブランディングを担当しています。

Team
Planning
先崎 哲進
蒲原 凪
Creative direction
先崎 哲進
Design
大久保 舞花
山本 将也
山本 裕也
Architect
CASE-REAL / yHa architects / 大森創太郎 建築事務所 / WACT ※順不同
Calligraphy
池多 亜沙子
illustration
羽田 紗耶香
Web development
阿比留 浩太
川﨑 陽香
Photo
大塚 紘雅(photo office overhaul) / 門司 祥
Client
株式会社アミナコレクション
Website
中尾甚六HOTEL
JIN6サウナ
甚六果実店
甚六朝市食堂
Whale Brewing
鯨の町興し

BACKGROUND

呼子の町並みと営みを未来につなぐために

本取り組みの原点には、事業者の進藤さわと氏が、父から受け継いだ、秋祭り「呼子くんち」の復興活動から始まります。人口減少や空き家の増加といった呼子が抱える課題に直面するなかで感じられた、このままでは呼子の町並みが失われてしまうのではないかという強い危機感が、本プロジェクトの出発点となっています。私たちテツシンデザインもこの思いに共感し、約5年間にわたり、事業づくりやブランドづくりに伴走してきました。古民家の価値を活かしながら新たな生業を生み出し、「ここで働きたい」「挑戦してみたい」と思う人の流れをつくることが、呼子の持続的な発展につながると考えています。

APPROACH

古民家を再生し、生業をつくる仕組み

民間事業者の事業だけに留めないために任意団体「鯨の町興し」を設立。古民家再生を軸に、宿泊・飲食・サウナ・その他テナント事業といった、さまざまな生業を一体的に育てていく取り組みです。事業者やデザイナー、建築家をはじめ、地域のサポーターといった多様な立場のメンバーが連携できる枠組みの中で、空き家の相談から事業者のアサインまで、町並みや生業をつくる仕組みを構築中です。さらに団体を発展させながら町一体のうねりとなるよう広げていきます。

CONCEPT

「鯨をしるべに、まちの鼓動を興す」
呼子の捕鯨文化を軸にした事業づくりと人づくり

中尾家は江戸時代から170年に渡り捕鯨業を営んだ一家で、中尾甚六はその初代当主。呼子の捕鯨を語るには外せない存在です。「中尾様には及びもないがせめてなりたや殿様に」と歌った俗謡があるほど、一時期は地元の藩主をも凌ぐ勢いで繁栄を極めていたとされ、江戸にもその名が知れ渡っていました。
絵巻「小川嶋鯨鯢合戦」には、当時の呼子における中尾家の捕鯨の様子が描かれています。その様子を現代の呼子の風景や営みに重ねて再解釈した新たな「呼子古今絵巻」は、過去と未来の繁栄の様子を表現しています。

重要文化財に指定されている中尾家屋敷
鯨漁を前にした漁師たちの酒宴の様子
呼子古今絵巻の全体図

OUTPUT

中尾甚六HOTEL

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漁師町ならではの海景を楽しめる本館と、江戸から続く町並みの古民家を活かした別館。呼子の地域文化を体感できる分散型ホテルです。屋号は鯨組当主・中尾甚六氏にちなみ、中尾家ご子息のご協力を得て冠しました。

JIN6サウナ

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コンセプトは「呼子の深世界」。 鯨が深海へ潜り、再び浮上するように、深く整うためのサウナが呼子に誕生しました。 海とともに育まれた呼子の文化を映した空間でサウナ体験ができます。

甚六果実店

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呼子、唐津周辺の果物を使い、味と見た目にもこだわった特製かき氷を提供する「甚六果実店(じんろくかじつてん)」。二階は、中尾甚六HOTEL 熊本別邸として宿泊できます。

甚六朝市食堂

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「魚と出汁」をテーマにした食堂。呼子の朝市と漁師町の食文化を一膳にまとめた朝ごはんを提供しています。二階は、中尾甚六HOTEL 米勝別邸として宿泊できます。

Whale Brewing

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呼子朝市通りの築約80年の古民家を活用した「ホエールブリューイング 呼子クラフトビール醸造所」。呼子の捕鯨文化をコンセプトに、「朝の陽」や「夕暮れの海」などまちの風景を感じるクラフトビールを醸造しています。

KUJIRA BOOK

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鯨の町興しの取り組みを紹介するフリーペーパー。佐賀大学 理工学部 建築環境デザインコース 宮原研究室と連携し、呼子の歴史や文化、地域の魅力に加え、新たな賑わいが生まれつつある今の呼子を、定期的に発信します。

鯨の町興し

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鯨の町興しの取り組みを紹介するプロジェクトサイト。 地域で活躍する「町興し人」とも連携しながら、古民家改修にとどまらず、呼子のまちの賑わいづくりに関わるさまざまな取り組みを発信していきます。