福祉と社会の間に、支援ではない関係を描くアートプロジェクト
HIBIGEI
HIBIGEIは、株式会社ふくしごと(取締役:先崎哲進)が運営する、障害のあるアーティストと社会をつなぐアート&デザインスタジオです。HIBIGEIでは、障害のあるアーティストが描いた作品をデザインデータとして活用できる「イラストストックサービス」をベースに、作品を活用した商業施設や公共空間でのアートプロジェクトを展開する事業です。エクスカーションや対話型ワークショップ・制作ワークショップを通じた共創のプロセスから作品を生み出します。
- Team
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- Project management
- 株式会社ふくしごと
- Creative direction
- 先崎 哲進(株式会社ふくしごと取締役)
- Design
- 大久保 舞花
- 長末香織 / 他
- Client
- 三菱地所ホテルズ&リゾーツ株式会社 / 福岡地下街開発株式会社 / 九州大学 / マミーズクリニックルナ


BACKGROUND
HIBIGEIを運営する株式会社ふくしごと(取締役・クリエイティブディレクター:先崎哲進)は、「ふくし(Well-being)」と「しごと(Co-creation)」の両立を目指し、多様な人が活躍できる仕組みを企業・地域に提供するソーシャルデザイン企業です。
日本の障害者の働く環境は、たとえ働く意欲があっても就労の場が限られ、賃金・工賃が低いという課題があります。アート制作を行う障害者や就労支援施設も同様に活躍の場が限られ、手がけた多くの作品は、施設に眠ったまま活用されずに、その数は、施設によって数百点から数千点にも及びます。

APPROACH
障害者の「創造力」を「社会の力」に変えたい
施設に眠ったまま活用されない作品を“未利用資源”と捉え、社会へ循環させることで障害者の賃金・工賃の向上に繋げることができないか、HIBIGEIは、この“未利用資源”を社会へ循環させるため、作品をデータ化し、企業や広告の現場で使える形に活用しました。使用料や製作費を作家に還元し、創作活動が“仕事”になる仕組みを目指しています。テツシンデザインでは、作品コンセプトの設計、デザインを共に行っています。

CONCEPT
「支援」から「共につくる」関係へ
HIBIGEIが大切にするコンセプトは、「支援する・される」といった一方向の関係を超え、アートを通じて福祉と社会のあいだに新たな共通価値を生み出すことです。そのプロセスそのものが、互いに学び合い、価値を見出し合う共創の場となることを目指しています。
そのために、依頼者が実際に障害者の現場を訪れるエクスカーションや、アーティストとの対話・ワークショップを通じて、共に作品を生み出すプロセスを設計。制作の過程自体が、社会課題や多様性に触れる学びの場になっています。



マミーズクリニック ルナのみなさんによる、工房まるへの施設訪問(エクスカーション)の様子
Output
マミーズクリニック ルナ(福岡・医療施設)
福岡県那珂川市にある産科専門クリニック「マミーズクリニックルナ」のピロティに設置されるウォールアートプロジェクト。この作品は、生まれた赤ちゃんが最初に世界の空気に触れる場所であるクリニックの玄関に制作されました。制作過程では、福祉作業所のアーティストとクリニックのスタッフが交流し、互いに対話を重ねながら共に制作を重ねることで、クリニックのビジョンがビジュアル化され、母子を寿ぐアートが生まれました。


ザ ロイヤルパーク キャンバス 福岡中洲(福岡・ホテル)
福岡・中洲に開業した「ザ ロイヤルパーク キャンバス 福岡中洲」にて、「九州」をテーマにロビーや客室のアートを制作。さらにスタッフ用サコッシュやノベルティなどのデザインに展開しました。中心となるロビーのアートは複数のアーティストの絵を組み合わせて九州を表現。(90°首を傾けると九州の形に)ホテルスタッフもプロジェクト初期から制作現場を訪れ、障害のあるアーティストと対話を重ねながら制作に関わりました。「多様な人が集まる場に」というホテルのコンセプトを体現する取り組みとなりました。


天神地下街(福岡・商業施設)
天神地下街「石積みの広場」にて、地下街40周年を記念して設置されたモニュメントアート。工房まる所属のアーティスト・石井悠輝雄さんが原画を担当しました。石井さんが描いたパリの街並みをデザイン化し、鉄の造形で表現。光の演出で1日の変化に豊かな表情をもたらします。たくさんの市民が行き交うパブリックスペースに新たな待ち合わせ場所が生まれました。


グラミンハウス(福岡・歴史建築再生)
九州大学箱崎キャンパス跡地にある、築80年の歴史的建築「グラミンクリエイティブハウス(GCH)」の再生と解体。大学関係者、学生、障害のあるアーティストが一体となり、壁画制作から、解体前のお別れイベントまでを実行。境界を越えた協働が生まれました。

